平成29年地球温暖化影響調査
レポート(概要)
○「地球温暖化影響調査レポート」とは、都道府県の協力を得て、地球温暖化の影響と考えられる農業生産現場における高温障害等の影響、その適応策等について報告のあった内容を取りまとめたもの。
(「農林水産省地球温暖化対策総合戦略」(平成19年6月策定)及び「農林水産省気候変動適応計画」(平成27年8月策定)に基づき、平成19年より取り組みを開始。)
○平成29年地球温暖化影響調査レポートの調査対象期間は、平成29年1月〜12月である
農林水産省の
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平成29年の気象の概要
平成29年の特徴的な天候としては、8月以降の天候不順や秋の全国的な多雨・寡照がある。沖縄・奄美では夏から秋にかけて顕著な高温状態となった。
平成29年の気温・降水量・日照時間
平均気温
【冬】
全国的に暖冬であったが、一時的に強い寒気が南下することがあった。
【春】
高気圧に覆われやすく、北・東・西日本で気温が高かった。
【夏】
東・西日本で高く、沖縄・奄美でかなり高かった。7月の北日本は、平年を著しく上回る高温となる時期があったが、
8月に入ると北・東日本太平洋側で曇りや雨の日が多い不順な天候となり、北日本の平均気温は平年並だった。
【秋】
沖縄・奄美でかなり高く、北日本で低かった。東・西日本で低かった。東・西日本は平年並だった。11月中旬以降は、北〜西日本で気温が低い状態が続いた。
降水量
【冬】
西日本の日本海側で多く、沖縄・奄美は少なかった。北・東日本および西日本太平洋側では平年並だった。
【春】
高気圧に覆われやすく、北・東・西日本で降水量が少なかった。特に、北・東日本日本海側でかなり少なかった。
【夏】
北・東日本の日本海側で多く、東日本太平洋側と西日本の日本海側、沖縄・奄美で少なかった。
「平成29年7月九州北部豪雨」が発生するなど、記録的な大雨となった所があった。
【秋】
全国的に多く、西日本と東日本太平洋側でかなり多かっ。秋雨前線の活動が活発となって広い範囲で大雨となり、特に10月は北日本から西日本にかけて顕著な多雨・寡照となった。
日照時間
【冬】
東日本太平洋側でかなり多く、西日本で多かった。北日本日本海側で少なかった。
【春】
東日本と西日本日本海側でかなり多く、北日本、西日本太平洋側で多かった。
沖縄・奄美では平年並だった。
【夏】
東日本の日本海側、西日本と沖縄・奄美で多かった。北日本と東日本太平洋側では平年並だったが、8月に入ると北・東日本太平洋側で曇りや雨の日が多い不順な天候となり、月間日照時間がかなり少なかった。
【秋】
西日本でかなり少なく、沖縄・奄美で少なかった。北・東日本では平年並だった。秋雨前線の活動が活発となって広い範囲で大雨となり、特に10月は北日本から西日本にかけて顕著な多雨・寡照となった。
平成29年の年平均気温偏差
2017年の日本平均気温偏差は+0. 26°Cで、統計を開始した1898年以降で14番目に高い値となった。
○日本の年平均気温は様々な変動を繰り返しながら上昇しており、上昇率は100年あたり1.19°Cである。
以下の図からも、温暖化現象が起こっていることがよくわかります。
*日本の平均気温偏差(出典:農林水産省)
平成30年地球温暖化影響調査
レポート概要(令和元年10月農林水産省発行)
〇本調査について・本調査は、平成30年1月〜12月を調査対象期間とした。・47都道府県に調査依頼を行い、全都道府県から報告を受けた。
〇各地方の区分について【北日本】(7道県)北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島【東日本】(17都県)茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、三重【西日本(沖縄・奄美含む)】(23府県)滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
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(1) 平成30年の天候の概況
・ 冬(2017年12月?2018年2月)は全国的に低温となり、北陸地方中心に大雪となった。
・ 春から夏にかけては東・西日本中心に記録的な高温となった。
・ 「平成30年7月豪雨」の発生により西日本中心に記録的な大雨となった。
・ 台風第21号、第24号の接近・通過に伴い各地で暴風、高潮となった。
(2) 平成30年の季節の気温・降水量・日照時間
平均気温
【冬】強い寒気の流れ込むことが多く、全国的に冬の気温が低かった。
【春】寒気の南下が弱く、期間を通して暖かい空気に覆われやすかったため、全国的に気温の高い状態が概ね持続し全国的に気温がかなり高く、東日本では記録的な高温となった
【夏】太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しがともに強まり、多くの地方で梅雨明けがかなり早く、東・西日本中心に晴れて気温が顕著に上昇する日が多かった
【秋】北日本、東日本、西日本で高かった。
降水量
【冬】東日本日本海側ではかなり多く、北日本日本海側でも多かった。一方、東日本太平洋側と西日本日本海側及び沖縄・奄美では少なかった。北・西日本太平洋側は平年並だった。
【春】北・東日本日本海側でかなり多く、北・東日本太平洋側と西日本で多かった。一方、沖縄・奄美でかなり少なかった。
【夏】北日本日本海側と西日本太平洋側及び沖縄・奄美でかなり多く、北日本太平洋側でも多かった。東日本と西日本日本海側で平年並だった
【秋】東・西日本と沖縄・奄美で多かった。一方、北日本では少なかった。
日照時間
【冬】東日本太平洋側ではかなり多く、西日本太平洋側でも多かった。一方、北日本日本海側と沖縄・奄美は少なかった。北日本太平洋側と東・西日本日本海側では平年並だった。
【春】東日本太平洋側と西日本、沖縄・奄美でかなり多く、東日本日本海側で多かった。北日本では平年並だった。
【夏】東日本と西日本日本海側でかなり多く、西日本太平洋側でも多かった。一方、北日本日本海側と沖縄・奄美は少なかった。北日本太平洋側は平年並だった。
【秋】東日本と西日本日本海側で少なかった。一方、北日本と沖縄・奄美では多かった。西日本太平洋側は平年並だった。
平成30年の年平均気温偏差
○2018年の日本の平均気温偏差は+0.68°Cで、1898年以降、6番目に高い値となった。
○日本の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.21°Cの割合で上昇している。特に1990年代以降、高温となる年が頻出している。